私は家庭の事情で子どもの頃から漫画が家にいっぱいあったので、興味のあるジャンル関係なくいっぱい読んできました。
子どもだからコロコロやジャンプだけってわけでなく、親の目を盗んで青年漫画やレディースコミック、成人向け漫画に至るまで、どう考えても子どもが見ちゃいけねーだろ的なやつまで読んできたんですが、それだけ色々読んでると、中には手元にないけどあんな漫画あったなーってぼんやり覚えている漫画もあるわけです。

それで思い出したのが『フィメールの逸話』という漫画。ジャンルは少女漫画…になるのかな?
何気なく親のいないすきに読んだ漫画の1つで、当時も今も少女漫画はそんなに好きじゃないんですけど、この漫画はなぜかよく覚えています。


かなり古い漫画で、調べると初版は1983年…!
読み進めてちょっと一風変わった少女漫画かな?と思ったんですが、まさかの展開で。
ネタバレは避けたいところですが、軽い表現で言えばBL的な展開になります。

個人的好みの話になりますが、私はBL作品はそもそも全然読みません。
なんていうか、ちゃんとした理由のあるBL、というかLGBTにまつわる問題などを言及した漫画はわりと好きなんですが(だから初代おっさんずラブのドラマは楽しめた)、脈絡無視のド急展開のBLは、そもそもストーリーとして楽しめないのであまり読まないんですね(だから新しい方のおっさんずラブは全然面白くなかった)。

この『フィメールの逸話』って作品は、ちゃんとストーリーがしっかりした上で、男が男を好きになるのはOKなのか、本当の恋愛とはなんなのかということを主人公はめちゃくちゃ苦悩するわけですよ。
すごく哲学的で、何より驚くのは、1983年に最近ようやく声として上がってきたLGBTの問題を言及しているってことなんですよね。
ストーリー自体も面白いんですが、なんだかすごく考えさせられる作品でした。だから数多の漫画を読んできたけど、その中でも印象に残っていて、また読んでみたいと思える作品でした。

数年前にふと思い出して、その当時調べたらコミックスは絶版…もう読める見込みはなかったんですが、なんと最近調べると電子書籍が発行されているではないですか!
こうやって再販されるということは、やっぱり名作だったんですね〜!

絵や表現はもちろん昔の漫画って感じですけど、ストーリーはすごく前進的な内容なので、今読んでも楽しめると思います。

思えば、そうやっていっぱい漫画を読み漁っていたけど、印象に残っている作品は多々あります。
そんな懐かしい漫画を、忘れないうちに記録していくのも良いかなと思います。

意味なしイラスト。

パジャブロ20210324